新人教育にウェアラブルカメラを活用
チームの絆が強まった

大成設備株式会社

  • ウェアラブルカメラ導入時期:2022年6月
  • ウェアラブルカメラ導入場所:横浜市旧南区総合庁舎跡地開発
  • 導入地域:神奈川県
  • 業種:設備工事業

◆大成設備株式会社

インタビューご回答者様

神奈川支店(撮影ご協力) 齊藤佑太

神奈川支店 工事課長 西山智博

神奈川支店 工事主任(撮影ご協力) 河原隆太

大成設備株式会社様は「空気調和設備」「給排水衛生設備」「電気設備」「内装工事」をすべてカバーする総合設備工事の設計・施工専門企業様です。変化する外部環境に対して、SDGsの取り組みだけでなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みも積極的に行っており、お客様や社会のニーズに合わせた業務改革を推進されております。

【1】ウェアラブルカメラを検討したきっかけ

西山様: 2022年3月頃に今の9人チームが発足され、メンバー平均年齢が20代と大変若くなり、経験値が低く、作業がうまく回らないことが増えたことがきっかけです。若手社員は、現場で問題定義されてから事務所に戻っても理路整然と報告が出来ないことが多く、問題解決に時間がかかっていました。こちらから指示を出しても、見るべきポイントが掴めず、何度も現場と事務所の往復を繰り返す必要があったため、この二度手間三度手間となる状況を変えなければならないと感じました。
実際、若手社員からの説明・報告では解決できず、私が現場まで行って確認することもあり、実際行ってみると、行くほどでもない案件であったりと、ジレンマがありました。現場まで往復30分、現場で内容確認が約15~30分、合計で約1時間かかる場合もあり、その分の事務所作業が中断となります。この工程が1日数回と重なった時は、業務効率の悪さを感じました。

【2】導入に至るまでの条件

西山様: まず、予算としては、ウェアラブルカメラを知る前までは、派遣社員二名の採用を考えておりましたので、派遣社員二名分の月額給与くらいまでは支払うつもりでおりました。実際の導入金額をお聞きした時はとても安価でびっくりしました。
また、私自身も、これまでの現場の往復を少なくしたいといった思いもありましたが、何よりも、若手社員たちの「何がわからないかもわからない」と言った状況も解決したいと思っておりました。現場職人さんたちの伝えたい内容が、経験値の少ない若手社員にとっては理解が難しいことが多く、その場で確実に助けてあげられるツールであってほしいと考えておりました。
最後に、映像品質の良さと扱いやすさを重視しました。個人携帯は通信料がかかってしまうことや、会社支給携帯の場合、セキュリティの関係上外部からのアプリケーションはダウンロードが出来ない為、きれいな映像かつ導入のしやすさを考慮しておりました。

【3】PLUS-Tを導入したきっかけ

西山様: 金額が大変魅力的でした。先程も申し上げましたが、元々、派遣社員二名を採用するつもりで動いておりましたので、月額利用料金を聞いて即決しました。
ウェアラブルカメラのようなツールを利用すること自体が初めてだった為、当社のよう初めて導入する側にとっては、導入しやすい価格だと思います。
また、ヘルメットに装着して利用することで作業者目線での映像の確認ができます。作業者目線である為、映像を確認している側から、「正面にある○○の右にある○○」等、簡単に指示を出すことができ、作業者側もスムーズに理解することができる点が良かったと思います。

【4】利用シーン

西山様: 主に、ウェアラブルカメラを装着した若手社員が現場を撮影しながら作業や報告を行い、私が事務所でタブレットの映像と図面を見ながら指示や、現場での問合せに関して回答の助け舟をしておりました。また、現場での職人さんとの納まり打合せの際にも利用しています。これまでは、電話と写真で話が思うように進まないことが多かったのですが、ヘルメットにウェアラブルカメラを装着した若手社員を通して話すことで、確認しているものを確実に共有ができ、相手の表情を見ながら話を進めることもできて今までよりもスムーズに話を進めることができました。また、これまでの現地の寸法確認は、スマートフォン等で映しており、両手が塞がり作業がしづらいと感じていましたが、ハンズフリーの状態で映像を送ることが出来るので、ストレスを感じることなく作業を進めております。

2022年7月に主任に昇格された河原様。
まだ20代の若さでありながら中堅の立場として、現場の状況把握し上長に報告しておられました。

【5】導入効果

西山様: 人の移動回数が大幅に減りました。前述でもお伝えしましたが、大変若いメンバーが揃ったチーム編成となっております。熟練者でなければわからないといった状況でも、ウェアラブルカメラを装着した若手社員が映像を映すことで、熟練者が事務所にいながら現場での問題解決に至りました。熟練者一名を配置するほどの効果があったと実感しました。
作業現場での効果だけでなく、社員同士のコミュニケーションツールとしての効果も感じられました。若手社員はわからないことが続くと、なかなか自分から「わからない」と発信しづらくなってしまいます。その発信が遅れることで、工期が伸びてしまったり、最悪事故に繋がる可能性もあります。しかし、今回ウェアラブルカメラを導入したことで、若手社員から積極的にわからないことの質問や問いかけが増えました。経験を積んでいくと、なかなか若手社員の気持ちがわかりにくくなるものですが、ウェアラブルカメラのおかげで、若手社員の気持ちに寄り添うことができました。今まで以上に、活気のある、絆が強まったチームになったと感じております。

≪齊藤様からのコメント≫
これまで電話のみでうまく伝えられなかったことが、
映像を用いることでスムーズにやり取りすることができるようになったとのことです。

【6】今後の展開

西山様: 今回の現場は竣工となりましたが、次の現場でも同様に導入したいと考えております。また、現場作業効率化だけでなく、若手社員の教育にも積極的に利用したいと考えております。今回導入して若手社員が自発的に動くことが増えたと感じたからです。若手社員の発声の手助けになる製品だと思いました。
若手社員が今いる状況を私たちベテラン社員と共有し、その場で指導が行えることは、若手社員のレベルを上げるだけでなく、常時現場にいない監督者にとっても、自分自身の作業中断の時間が短くなるため、大変助かると思います。

考察

業務効率を上げる為に導入した弊社ウェアラブルカメラが、期待以上に役立っていると伺いました。チームの8割が20代を占めており、ベテラン社員と大幅な年齢差があるにも関わらず、会話が飛び交い、チーム一丸となり現場に取り組んでいる姿勢を見て、強い結束力を感じました。弊社のウェアラブルカメラがコミュニケーションのやり取りにも役立てられていると聞き、更なる製品・サービス品質向上に努めたいと思いました。

取材:2022年9月